フルーツいろいろ話3
野育ちのままでこの年齢になってしまったので、モモの花 種との付き合いも粗野なのは自分でも分かっている。
それゆえか、おミカン、おリンゴ、おフルーツだとか水菓子、こういうふうにモモを眺めるムードが分からない。
モモがほんとうにおいしいなあ、と思うのは人目につかない所でしゃぶりついた時だ。
気に入った一個をてのひらにのせて、ひととき、うぶ毛の手触りを楽しむ。
そしてやおら十本の指を操って薄い果皮をむき口の方を寄せるようにしてしゃぶりつく。
甘い果汁は指を伝い、果ては手首にまで届くが、そこは手なれたあしらいで吸う、すする。
その間一、二分、そうこうしているうちに口の周りや指の先には芳香がしみこんで、さながら陶酔の状態となる。
やがて果肉は姿を消す。
指をなめなめ余香を楽しんで後に大きな種が残る。
これがテーブルマナーとなるとむずかしい。
「くだものでもどうぞ」とすすめる側は、まず果実をきれいに洗って、ナイフ、フォーク、ナプキンを添えて出す。